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寒さが厳しい北海道の冬に、暖房器具は欠かせない存在。しかし、家づくりの際に迷うのが床暖房とエアコンのどちらを選ぶか、ではないでしょうか?
そこでここでは、床暖房とエアコンの電気代、どちらがお得なのか、その真相に迫りました。その他、暖房の電気代を節約する方法も解説します。
まず、足元全体をポカポカと暖めてくれる床暖房。満遍なく温暖な空気で満たしてくれる上、風が出ないので乾燥対策にも有効だと言われています。ですが、床暖房には大きく分けて「電気式」と「温水式」という2つの種類が。では、それぞれの電気代について詳しく見てみましょう。
電気式は「蓄熱式」「電気ヒーター式」「PTCヒーター式」と3種類が存在し、それぞれに以下のような特徴が存在します。
蓄熱式
熱を蓄える蓄熱材と呼ばれる素材に溜めた熱を使用して床を暖める仕組み。太陽光発電を利用し、夜間に電気代が安くなるプランを利用する場合は特にランニングコストが安く済むのが特徴です。ただし、初期費用は比較的高めなので、新築住宅におすすめと言えるでしょう。
電気ヒーター式
フローリングの下に電熱線を張り巡らせるタイプ。狭い場所や部屋の一部にも設置でき、初期費用が比較的抑えられるのが特徴です。しかし、ランニングコストはやや高めなため、部屋全体に設置するのには不向きかもしれません。
PTCヒーター式
床の発熱量を、温度センサー機能が備えられたヒーターによって部分ごとに調整できるというもの。日当たりや環境に合わせ、暖めなくて良い部分を節約できるため、消費電力を抑えられる傾向があります。では、一般的に電気式床暖房のコストはどうなっているのでしょうか?
様々な床暖房システムに対応するパナソニックのWebカタログを参考に、以下をご覧ください。やはり広ければ広いほど、1か月あたりの電気代は大きくなりますね。
電気式床暖房を室温約20℃を一定とする環境状態で、1日8時間連続で運転した場合
広さ | 消費電力 | 1か月あたりの電気代 |
---|---|---|
6畳 | 960W | 約1,800~3,900円 |
8畳 | 1500W | 約2,800~6,100円 |
10畳 | 2100W | 約3,300~7,300円 |
12畳 | 2100W | 約3,900~8,500円 |
16畳 | 2850W | 約5,200~11,500円 |
※電力料金目安単価は27円/kWhで計算しています
では、温水式はどうでしょう。温水式にも以下のような種類があり、初期費用やランニングコストが多少異なります。
温水式電気床暖房
ヒートポンプ技術を用いて空気を暖め、温水を生み出して床を暖めるシステム。特にオール電化の住宅に設置するとランニングコストを抑えられ、とても経済的です。しかし、温水式ガス床暖房に比べると初期費用が高めの傾向も。
温水式ガス床暖房
給湯器で沸かしたお湯を利用し、床を暖めるタイプの床暖房です。比較的暖まるのが早いほか、広い範囲に床暖房を設置するのに適しています。
では、温水式床暖房の1か月あたりの電気代を見てみましょう。温水式電気床暖房もタイプや省エネ性能などによりますが、電気式床暖房に比べると比較的ランニングコストが安くなる傾向にあるようです。
温水式床暖房を1日8時間連続で運転した場合の1か月あたりの電気代
広さ | 温水式電気床暖房 | 温水式ガス床暖房 |
---|---|---|
8畳 | 約2,800円 | 約3,900円 |
10畳 | 約3,900円 | 約4,900円 |
12畳 | 約4,900円 | 約6,100円 |
16畳 | 約6,500円 | 約8,200円 |
※電力料金目安単価は27円/kWhで計算しています
次に、エアコンの電気代について見ていきましょう。
例えば先ほど参考にしたパナソニックの製品である「Eolia(エオリア)UXシリーズ クリスタルホワイト CS-UX282D2-W (おもに10畳用 /極暖・寒冷地仕様 /200V)」を確認してみると、年間電気代目安は「21,700円」※(2022年4月時点)と記載されています。
対して、床暖房は同じ10畳用で考えると、前述した通り電気式で1か月3,300円(年間39,600円)から、温水式で1か月3,900円(46,800円)からが目安と、エアコンよりはランニングコストが高くついてしまう計算に。
結果、電気代のみを見ればエアコンの方が安い、と言えます。しかし、長い目で見れば床暖房の方がオトク、という話も。では、様々な視点からどちらが優れているのか?をまとめてみましょう。今回は温水式の床暖房を例に考えてみました。
このように、昨今エアコンも高性能になってはきているものの、部屋全体をじんわり暖め、乾燥も防ぐという意味では床暖房が優れている印象。コストはもちろん、それぞれの良さをふまえてライフスタイルや家族の過ごし方に合った暖房器具を選びたいものですね。
このように、電気代の安さで言えばエアコンに軍配が上がるいっぽう、床暖房にも様々なメリットが存在します。では、床暖房を使用しながらできる限り節電を行うには、どうしたらいいのでしょうか?
頻繁にオン・オフせず、省エネモードを活用する
床暖房が電力を多く消費するのは、起動してから暖まるまでの間だと言われています。
そのため頻繁にオン・オフを繰り返すと、場合によってはつけっ放しよりも消費電力が高くなることも。起動回数をなるべく減らし、つけっ放しがどうしても気になる方は省エネモード(消費エネルギー量を調整できるモード)を活用するなどして工夫してみてください。
料金プランをよく確認し、ハイブリッド式の床暖房システムを導入する手も
ガス会社によっては床暖房のオトクなプランが用意されている可能性もあるので、一度確認してみても良いでしょう。初期費用に余裕があれば、電気式と温水式を組み合わせることでより効率よくエネルギー消費を可能にした「ハイブリッド式床暖房システム」を導入する手も。
ソファやカーペットは置かず、外出前には切る
床暖房が冷めるまでには、だいたい20分から30分ほどかかると言われています。逆に考えれば、外出の予定がある時は直前ではなくあらかじめ30分くらい前に切っておいても、暖かい室内を保てるということ。特にタイマーつきの床暖房なら、家を出る時間に合わせて設定しておけるので切り忘れの心配もありません。
また、床暖房が設置されているフローリングの上に家具や家電などが所狭しと並んでいると、熱が伝わりにくくなる恐れも。効率よく床暖房の効果を得るためには、カーペットやソファなどフローリングと直に接するものや、大型家具を置かないようにするのもおすすめです。
窓の断熱対策も忘れずに
床暖房のみで部屋を暖めるためには、窓の断熱対策も重要。新築時に性能をこだわるのはもちろん、発熱シートや保温シートを貼って外気をシャットアウトし、冷たい空気を防ぐのも効果的です。これは結露予防も期待できるアイテムですから、カビやダニ対策にもなりそうですね。
エアコンと床暖房は、どちらも工夫しだい
特に北海道をはじめとする寒冷地では、エアコンと床暖房を併用するお宅も少なくはないと言います。床暖房の立ち上がりの時だけエアコンを使用する、太陽光発電を活用する…など、ランニングコストをふまえ、状況に応じた節約対策を行いましょう。